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【名曲解説】鈴木メソード2-初級者が誰もが苦戦してしまう「メヌエット/ボッケリーニ」

      2021/11/27

子供も大人の生徒さんも誰もがつまずいてしまうボッケリーニ

週末にいらした大人の生徒Jさんが今、この曲に取り組んでいます。

今までこの曲を弾いてきた生徒さんはお子様ももちろん、弾いてこられたのですが、お子様も大人の方もどちらが弾いても初級者にとってはやはり、大変難しかったのではないかと記憶しています。

鈴木の2巻というとヘンデルやブラームス、パガニーニ、他と名作曲家ばかりでまた、有名な曲もあり、大変、楽しめる内容となっています。

ですが、最後のこの曲にきて初めて苦戦する方が多いのでどうしたら、弾けるようになるのかという攻略ポイントを挙げておきたいと思います。

当教室の生徒さん他、他教室の生徒さまや独学な方もご参照くださいませ。

有名な曲だからと耳コピーでは絶対に弾けない曲です。

楽譜を見ると初級者の方にとっては決して簡単な譜面ではないので、これは飛ばしたいといわれてしまうかと言えば意外にそうではなく、有名なので何とか弾けるようにしたいとおっしゃられる方の方が実は多く思います。

やはり、みなさん、名曲は弾きたいのですね。

因みに私も名曲は好きですが。

さて、タイトルにもありますようにこの曲をCD等を聴いた後、耳コピーで弾いてしまうと全く弾けないといってよい現実に出会うかと思います。

なぜかというとプロの演奏のこともあり、全体のテンポが速い。

初級者が最初からこのインテンポをこの曲としてイメージしてしまうのでよけいに弾きずらいのです。

有名な曲だからこそ聴いた直後でなくても残ってるイメージを追いかけようとしてしまいます。

実は名曲ほど様々な点で難しいと言える曲の方が多いです。

では最初から見て参りましょう。

練習方法①~⑤を行うと必ず弾けれるようになります!

①まず、頭の小節ですが、(ここからつまずく人が多い)この小節はなぜ初めのラソラシという16分音符しか入っていないの?

これ、とても重要でこれがわからないとどうやって数えたら良いのかわからなく、間違ってしまいます。

これは弱起(アウフタクト)といって楽曲の始めだけではなく途中であっても各小節の始めが1拍目から始まらないものを指します。

後に詳しく述べますが、このアウフタクトの箇所がこの曲は8か所もありますのでしっかり押さえておきましょう。

②上記の楽譜のように譜面をコピーして書き込んでみましょう。

3ーとーからスタートし、1とー2とー3とーと書き込んだ楽譜を元に口で1とー2とー3とー

と言いながらリズムの打ち込み作業をしていく。(下図の指番号も確認しておく)

③右手のアップダウンを確認した後、同じく口で1とー2とー3とーと言いながら右手のボーイングを正しく動かしていく。

④PIZZ(指ではじく)で同じく口で1とー2とー3とーと言いながら音を出していく。

この時に注意するポイントは始めは指が速く回らないこともあるのでメトロノームをかけて指の音程が広げられるぐらいの一定のテンポでかなり、ゆっくり、演奏する。

このゆっくりというのは後々の為に大変、重要で、実は生徒さん、最初のラソラシからかなり暴走してしまっている方がほとんどです。

弾いている方にとってみれば暴走したつもりは全くなく、よく知られている適当なテンポで弾きだしたらかなり、暴走していたというものです。

しかし、その暴走は最後まで続きません。

部分的に弾ける、わかるところだけ速いというものです。

また、拍の頭の音がそこに達していたとしても指を広げる時間がなく、音程が低くなってしまうという現象も全体のテンポをかなり、落とすことで指も広げられるようになります。

その後、少し速いテンポでも広げられるようになります。

⑤同じく口で1とー2とー3とーと言いながら弓で弾いていきます。

ここでよくあることは弾くことに夢中になり、数えなくなり、口がなくなってしまうことです。

これでは最後まで正しいリズムで無事に完奏できなくなってしまいます。

最後の最後まで数えながら弾きましょう。(最初はゆっくりからで大丈夫です。)

テンポの上げ方ーゆっくりから速くはどうしたら弾けれるようになるの?

では次にバイオリンの技術編です。

ゆっくりなら何とか弾けるようになったけれど、少し速くすると弾けないというパターンの方が実際におられますが、どうすればよいのでしょうか。

実際の生徒さんを見ていますとその原因は一目瞭然なほどはっきりしています。

答えは弓の使う量と場所です。

実際に講師が弓を使う量と比べてもらうとすぐに気ずかれるようです。

が、講師は短い箇所は2センチぐらいしか使っていません。

もちろん、短い音符、長い音符と種類にも拠りますが、例えば冒頭のラソラシのような短い16分音符などを弓の半分近く使って演奏されている生徒さんが多いです。

ラソラシだけではなく、付点などの16分音符が出てくる箇所も要注意なのですが、その他、8分音符でも移弦の箇所はそんなに使っていられないです。

例えば1小節目のラソラシが終わったラの8分音符、これも短めに切り上げてすぐにA線に移動しないといくらリズムがわかっていたとしても奏法がついていかないかなぁと思います。

ここで重要なことは弓を短く使う箇所はテンポをゆっくり弾いている段階から特に注意して短く弾くことです。

実際の生徒さんに多いのはゆっくりだからとつい弓まで全体的に長く使ってしまう傾向です。

するとテンポを上げられなくなってしまいます。

ゆっくりの時から短くが正解です。

するとテンポが難なく少しずつ上がっていきます。

弓の場所についてですが短い箇所は弓の真ん中より少し上で弾くと移弦もしやすく弾きやすいかと思います。

また、この曲に限らず速いテンポの曲が弾けれるようになる訓練としましてはスケールをゆっくりだけではなく、速いテンポでも弾けれるようにしておくことかと思います。

強弱に関しては譜面を最初に読む段階の始めからいっしょにやっていくのが良いかと思います。

弱起(アウフタクト)の箇所

では最後に先ほど上記で述べましたアウフタクトの小節を拾っていきたいと思います。

しっかりその箇所は確認しないと数え間違えてしまいますのでマークを入れておきましょう。

①冒頭のラソラシ

②8小節目

③9小節目の前のドーミ(繰り返しで初めに戻る時の②は①と合算次に進む時は②と③で合算です。)

④20小節目は繰り返しに戻る時は③と合算、次へ進む時は⑤と合算

⑤Trioの頭のレミ

⑥28小節目は繰り返しに戻る時は⑤と合算、次へ進む時は⑦と合算

⑦29小節目の頭の4分休符

⑧44小節目は繰り返しに戻る時は⑦と合算、次へ進む時は①と合算

となります。

指番号の確認をしましょう。

●繰り返し(リピート)は全4か所。

●DC(ダカーポ)は始めに戻り、戻った時の演奏は各所の繰り返しは全て省いて演奏するのが通常です。

始めに戻る前の繰り返しは打ち合わせ次第により、繰り返さないこともあります。

オーケストラの演奏では何も指揮者から言われない限りは繰り返しをします。

このようにこの曲は初級者にとってはリズムが細かく少しややこしいのかも知れませんが、メトロノームを常に使用し、自分の弾けれるテンポをしっかり割り出し、弾けれるようになるまで上記のように数えながら一定のテンポで弾き続けていけば必ず弾けれるようになっていきます。

みなさん、憧れの曲を奏でましょう。

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