バイオリン弦、ドミナントをお勧めする理由
2018/09/05
曲、楽器、会場を選ばない弦はやはりドミナント
最近は時代とともにさまざまなバイオリン弦が出回ってきました。
バイオリンをはじめてやる方にとってはどれを使用したらいいのかときっと検討がつかないことと思います。
クロムコア、ヘリコア、ドミナント、インフェルド赤、青、オブリガード、エヴァピッッイ、ワーシャル、ビジョン、ビジョンチタニウム、オイドクサ、オリーブ等。
実際に、私はこれらを全てを試して見たことがあるのですが、ドミナント以外の他の弦は曲によって不向きな点が。
例えば速いテンポの細かいパッセージが弾いているのに弦がついてこなかったり、ひっくり返ったり、倍音やハーモニクスを慣らすのにエネルギーを使ったり、速いテンポの重音奏法時に想像もしない雑音が入ってきたりとか、かなり、曲を選んでしまう弦もあったり、また、プロのようにかなり良い弓を使用していないと細かいパッセージが出ないだけではなく、音質の伸びが良くないことから、弾いていて手が疲れてしまうとかね。
また、曲や道具だけではなく、他の弦は演奏する会場、ホール等を選んでしまいます。
実際に、私が残響0秒のホールから、2秒のホールまでを今までに本番で演奏してきましたが、どんな音響の悪い0秒の地下ホールであったとしてもドミナントなら張り替えて5時間後に最高の良い音質をみなさまにお聴かせすることができます。
しかし、ドミナントのデメリットとして通算で40時間程で音が劣化しますので賞味期限が早い、すぐ買い替えなければというところでしょうか。
バイオリンの良い音質とは音量ではない
室内楽用のホールがあるように弦楽器の音量はピアノや金管楽器のように大きな音を出すことは不可能なのでたとえ、ピアノに負けないようにと音量の出る弦を張ったからといって音楽にもならず、演奏として成り立たないのです。
もしも、ピアノの音量でバイオリンの音が被されてしまうのなら、それはピアニストの技量の問題です。
特にバイオリンは顎当てから響くので耳元に伝わってくる音色と実際に出ている音色とは格段の違いがあります。
だから、音量の少し出る弦というのも意味がありません。耳元で良く聴こえても実際には良い音質ではないです。
実際に、私も若いころ、音量の出るバイオリンってないのかしらんと探し回ったことがありましたが、全く無意味でした。
ドミナントは上記の理由から本番用の弦とも言われてきましたが、道具のグレードを選ばないので、初心者のみなさんにもおすすめしたい弦になります。
また、子供用の分数楽器にも本当はドミナントが良いのですが、費用の点でビジョンの方が低価格なことからビジョンを張る方が多いのですが、少し余裕ができたり、曲を弾くようになったら変えた方がいいと思います。
因みに子供用の分数楽器のビジョンはビジョンチタニウムというのはなかったと思います。
大人用だけにあるビジョンチタニウムという弦なら、まだ、いいのですが、やはり、みなさんにとってもドミナントのようにどんな楽器や弓でも大丈夫という弦がいいと思います。
弦だけは肩当てや松脂と違って、時代とともに進化してるようで進化してないのですね。
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