愛の挨拶/エルガー
イギリスの作曲家エドワード.エルガーはフィアンセであったアリスさんにこの曲をプレゼントしました。
このお二人の出会いは何とアリスさんがエルガーのピアノの生徒さんであったそうです。
エルガーはピアノとヴァイオリンを教えて生計を立てていました。
そんなことから、この曲はもちろんピアノソロ用やフルート用、管弦楽と様々な演奏形態で、最近、演奏されていますね。
因みに結婚式でも良く弾かれる曲らしいです。
本日はバイオリン&ピアノ用の楽譜を開いて見ます。
この曲、プロの先生いわく難しい作品だと言われている一方でアマチュアの方がそんなにむずかしくないと評するこの曲、いったいどういうことなのでしょう。
自分なりに分析して見ました。
実はこの曲バイオリンはE-durとD-durのそれぞれ2つの調性があり、原曲はE-dur(♯4つ)なのですが、バイオリン初心者や初めてこの曲を弾く方には第3ポジションからスタートできるD-dur(♯2つの方が初心者には弾きやすいようになっています。
しかし、出回っているほとんどの譜面は原曲のホ長調の方です。
下の講師の動画も原曲の方です。
チェロ版はニ長調ですが、ピアノソロ版は原曲のホ長調です。
逆に、原曲はスタート音が一音上がりますので、楽譜の読めるプロ奏者であってもそれ以降、忙しくポジションを移動せざるをえなくなります。
フィンガリング(どんな指で弾くか)の選定に依っても音色が様々になってしまいますので注意が必要です。
その中で楽譜に記載されている通り正確に演奏していくとG線のハイポジションまで弾かされたり、バイオリンの技巧の1つであるハーモニクス等、多少はできなければならない技術も問われてきます。
さらに、よ~く知られて誰でも弾いているだけにどう弾いたら心地良く聴けれるのかを研究しなければなりませんでした。
この曲はアンコールピースとしてもよく使われるほど2分と短い曲です。
そのたった2分の短い時間の間ですから、よほど、弾き方を練らないと何もやれず、あっという間に終わってしまいます。
当然、聴いている方は何も印象に残らず、終わってしまいます。
美しい音色を保ちつつ聴き手を満足させられる演奏にするにはどうしたら良いのか、この曲を弾いていた時、随分、考えさせられました。
本番ではこの曲、何度も弾いているのに自分の練習において何度、動画を撮ったかわからないほどこの曲に関しては何度も撮っていました。
動画を撮っていくうちにわかったことは自分で弾いていて丁度良い、心地良いテンポというのは聴き手にとってかなり、速めになります。
恐らく、演奏者はそんなに速いテンポで弾いているとはまさか、思ってないでしょう。
逆に自分で弾いていてかなり、もたれている、ちょっと遅すぎたかなというテンポが聴き手にとっては実は遅過ぎず速過ぎずで丁度心地良く聴こえるようです。
やはり、小品といえども人の耳に残る名作になるものはそれ相応なことを演奏者はやっているということになります。
弓のストロークとビブラートのバランス、stringの始動し出す位置等、全てを計算済みで演奏しないと本当にあっという間に終わってしまう曲です。
ただ雰囲気だけを大切にジャズ風に演奏をすると自分は楽しめますが、音色がブツブツ途切れてしまい美しい音色を楽しみにしているお客様には少し、不満が残ってしまうでしょう。
この手の名作は指をただ速く回せば良いというものでないだけにむずかしいですね。
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